今回はカリウムについてのお話です。 カリウム(K)は細胞内の主要な陽イオンで、 約98%が筋肉を中心とした細胞内に存在し、 神経の興奮や筋肉・心筋の収縮にかかわります。 1日の経口摂取の約90~95%が尿中に排泄され、 残りの約5~10%が便中に排泄されます。 腎不全の患者さんにおいては、 腎臓から尿へのK排泄が減少しているためKが蓄積します。 透析液のK濃度は通常2.0mEq/Lで、濃度の差(拡散)により 1回4時間の透析で約50~100mEqのKが除去されます。 透析不足やK過剰摂取があると高K血症となるため十分な透析とKの摂取制限が必要です。 〇高K血症 Kは細胞内外のKイオン濃度比により、神経細胞や心筋細胞、 骨格筋などの細胞の内外の電位差が決まっていて、 細胞外のK濃度が上昇すると致死性不整脈や心停止などをひき起こします。 また、高K血症になるとしびれや筋力低下、脱力、麻痺などの症状が現れます。 〇低K血症 低K血症は食事摂取量の減少や極度の下痢、 嘔吐によるK低下が原因になります。低K血症は脱力や麻痺、 致死性不整脈などをひき起こしやすくなります。 Kは野菜や果物類だけでなく全ての食品に含まれていて、 いかに摂取量を減らすかが重要です。 水分摂取の際はコーヒーや緑茶(玉露)、 ではなく、ほうじ茶や麦茶、水で摂取することが望ましいです。 果物はKが多く含まれていますが、生食と比べて缶詰はK含有量が 1/3~1/2程度になります。Kは水に溶ける性質があるため、 野菜は水さらしや茹でこぼしでKを減らすことができます。