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亜鉛と銅について

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今回のテーマは亜鉛と銅について   亜鉛と銅について   亜鉛と銅は人体に必要な微量元素です。亜鉛は多くの酵素がその活性をもつために必須の微量元素です。亜鉛が欠乏すると貧血、 味覚障害 、炎症、酸化ストレスなど様々な病態と関連します。銅は過剰になると炎症や酸化ストレスを進める方向にはたらき、欠乏すると貧血、汎血球減少の原因となります。   透析患者さんと微量元素 透析患者さんは食事からの摂取量減少や腸管からの吸収機能の低下、透析による喪失、リン吸着薬による吸着により、亜鉛が欠乏しやすくなっています。また、亜鉛の過剰状態では銅の吸収が低下し、低銅血症の原因となります。よって亜鉛治療中は必ず銅を測定します。 基準値 亜鉛: 80 ~ 130 μ g/dL 銅: 68 ~ 128 μ g/dL 対策 不足している場合には、食事からの摂取 ( 亜鉛は牡蠣、銅はココアに多く含まれる ) が行われます。改善しない場合には、亜鉛は経口薬が投与されます。その際、亜鉛製剤の副作用として銅や鉄欠乏には注意する必要があります。 ノベルジン ® 錠 特徴 投薬開始時および容量変更時には血清亜鉛濃度の確認を行います。亜鉛は吸収時に鉄や銅と拮抗的にはたらくため、亜鉛濃度が高くなると鉄や銅は吸収されにくくなります。亜鉛を長期投与中は、銅や鉄欠乏に注意が必要です。 注意点 空腹時に服用すると、悪心・嘔吐などの消化器系副作用が出現しやすくなるため、食後に服用します。本剤を服用中に亜鉛サプリメントは服用してはいけません。 副作用 銅欠乏症、消化器症状、肝胆道系障害、急性膵炎、 血清鉄減少、アルブミン減少、掻痒症、頭痛、咳嗽など

下肢つれとカルニチン

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  下肢つれとカルニチンについて 透析患者さんはとくに、透析中に下肢痙攣 ( 足のつり ) が出現することが多くみられます。透析中に筋痙攣が起こることがありますが、多くの場合透析により除水が進んだ状態や血圧低下時に起こることが多いため、筋肉に栄養を取り込む血流の関与が考えられています。 透析により急速に除水を行い、それに見合った血管外から血管内への体液の移行がない場合や、ドライウエイトが低すぎる場合には、透析が進むと血管内の血流量が過度に減少します。すると、筋肉に十分な血液が行き届かなくなり、筋肉の血流障害が生じて筋痙攣が誘発されると考えられています。 また、血液中の電解質 ( ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど ) や エネルギー代謝に必要な L- カルニチンの濃度が低くなった場合も、筋痙攣が起こりやすくなる ことが一般的に知られています。 血圧低下  透析後半は血管内が脱水傾向となり血圧が低下します。その結果筋肉への血流が低下し、筋痙攣を生じます。筋痙攣は非透析日にも起こり、ドライウエイトの設定が厳しいことなども原因として考えられます。   電解質異常 低カルシウム血症  活性型ビタミン D の不足やカルシウム受容体作動薬の使用中に低カルシウム血症になりやすく、これらは下肢つりの原因になります。 低カリウム血症  筋痙攣は血清カリウム濃度が 2.5mEq/L 以下で出現しやすいとされています。 低マグネシウム血症  慢性下痢や低栄養の患者さんは低マグネシウム血症によって筋痙攣を生じることがあります。また低マグネシウム血症と低カリウム血症は関連しており、どちらかが生じている場合は、他方も生じていないか確認が必要です。   カルニチン欠乏 透析患者さんはカルニチンが欠乏している状態です。カルニチンは、 4 ~ 5 時間の血液透析によって透析膜を介して容易に除去されます。また透析患者さんは食事制限によって L- カルニチンの摂取自体も少なくなっています。カルニチンは脂肪をエネルギーとして使うのに重要なはたらきをします。欠乏すると筋細胞で十分なエネルギー産生ができず、筋痙攣や低血圧を生じます。 透析中に筋痙攣が出現した場合は除水を停止し、血圧低下を伴うことも多...

カルニチン

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  今回のテーマはカルニチンについて カルニチンとは カルニチンは脂肪酸の代謝に必要不可欠な生体内物質で、必須アミノ酸のリジンとメチオニンから合成されます。透析患者さんは腎臓でのカルニチン産生低下や食事からの摂取量減少、透析での喪失によりカルニチンが欠乏しやすくなっています。体内での合成は 25% にすぎず、 75% が食事 ( 肉に含まれる ) に由来するとされています。 血中にはカルニチン単独の状態 ( 遊離カルニチン ) 、脂肪酸と結合した状態 ( アシルカルニチン ) の 2 つの状態で存在します。 基準値 カルニチンの基準値 総カルニチン: 45 ~ 91 μ mol/L 遊離カルニチン: 36 ~ 74 μ mol/L アシルカルニチン: 6 ~ 23 μ mol/L 遊離カルニチン濃度が < 20 μ mol/L の場合、カルニチン欠乏症と診断されます 摂取量の減少、血液透析による除去、薬剤 ( 抗けいれん薬、抗菌薬など ) 、まれに先天性代謝異常で低下します。また、肝不全・肝硬変、横紋筋融解症、カルニチン製剤の過剰投与によって血中濃度が上昇します。 カルニチン欠乏症は貧血、低心機能、透析中低血圧、下肢つりなどと関連しているといわれています 。 対策 食事摂取量を確保するほか、欠乏症の場合は静注製剤として投与されます。心疾患の原因とも考えられるトリメチルアミンがカルニチンから腸内細菌で合成されるため、経口製剤の過剰投与は避けたほうが良いとされています。   レボカルニチン製剤 薬剤名 一般名 特徴 エルカルチン ®FF 静注シリンジ レボカルニチン 他の錠形 : 錠剤、内服液。インスリン製剤や経口糖尿病治療薬で治療中の糖尿病患者さんへ投与する場合は、低血糖の恐れがあるため、モニタリングするなど慎重に投与する。投薬中は定期的にバイタルサインや臨床検査、カルニチンの欠乏状態のモニタリングを行います。

レストレスレッグ症候群(RLS)

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今回のテーマはレストレスレッグ症候群 (RLS) について 脚がムズムズするレストレスレッグ症候群 (RLS) レストレスレッグ症候群 (restless legs syndrome:RLS) は、 脚に不快な感覚が出現し、脚をじっとしていられない状態となる疾患です。 症状は安静時に悪化し、歩くあるいはストレッチのような運動をすることによって改善します。 レストレスレッグ症候群は「むずむず脚症候群」や「下肢静止不能症候群」とも呼ばれます。 原因がわからない原発性と、関連性が明らかな疾患による二次性とに分けられます。 なぜ起こるの?   原発性 RLS の原因は不明で、ドパミン神経系の異常が想定されています。 二次性 RLS を引き起こす疾患には鉄欠乏、カルニチン欠乏、慢性腎不全、 サルコイドーシスや慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患、うっ血性心不全、 うつ病などの精神疾患など、様々なものがあります。 RLS2 改善の 4 つのこと 〇 RLS を引き起こす疾患の治療 二次性 RLS を引き起こす原疾患を優先に治療します。特に明らかな鉄欠乏を有する場合には鉄剤を投与します。 〇 透析条件や使用薬剤の見直し 透析量が少ない場合には透析時間を延長したり、血流量を上げたりします。そして、血液透析 (HD) から血液透析濾過 (HDF) に変更し、できるだけ透析量を増やします。また、二次性 RLS を引き起こしやすいカフェイン、睡眠薬、抗うつ薬、カルシウム拮抗薬、脂質異常症治療薬、非ステロイド性抗炎症薬などを見直します。 〇 薬物療法 治療薬の第一選択はドパミン受容体刺激薬です。ドパミン受容体刺激薬が無効な場合や残存症状が強い場合には、クロナゼパムあるいは精神安定剤を使用します。 〇 ライフスタイルの見直し 入眠時の症状が主体となるため、睡眠衛生の改善が必要です。 適度な運動やカフェイン、アルコール、たばこを控えてもらうこと、 入眠の 2 時間以上前に入浴することが求められます。

局所麻酔薬

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  今回のテーマは局所麻酔薬について 透析と局所麻酔薬 透析において欠かせない穿刺ですが、 穿刺の痛みは患者さんにとってストレスになってしまいます。 局所麻酔薬を使うことで、穿刺時の痛みや不安感を和らげることができます。 局所麻酔薬の作用 神経膜のナトリウムチャンネルをブロックし、 神経における活動電位の伝導を、 可逆的に抑制し、知覚神経および運動神経を遮断します。 局所麻酔薬の種類 ペンレス ® テープ ~使い方~ 穿刺予定部位に 約 30 分間 貼って、皮膚からはがした後、穿刺部位を消毒する。 貼る時間は 60 ~ 90 分がより有効との報告もあります。 特徴 短時間で局所麻酔効果を発揮します。穿刺時の疼痛に有効ですが、 同じ部位に貼り続ける場合は、 保湿剤の使用などで皮膚のケアを行うことが望ましいです。 副作用 発赤、掻痒感、接触性皮膚炎、アナフィラキシー等 エムラ ® クリーム ~使い方~ 穿刺予定部位に 10 ㎠あたり 1g を密封法により 60 分間 塗布する。 塗布後は十分に拭き取り、穿刺部位を消毒する。 1 回あたりの最大塗布量は 10g 、最大塗布時間は 120 分間。 特徴 局所麻酔作用を持つリドカインとプロピトカインを配合し、 皮膚透過性を高めた製剤です。副作用が発現する可能性があるため、 面積に応じた適切な量を塗布する必要があります。 副作用 適用部位蒼白、適用部位紅斑、掻痒症、アナフィラキシー等

痛み止め(鎮痛薬)について

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  今回のテーマは痛み止め ( 鎮痛薬 ) について 痛み止めの作用 非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs)   シクロオキシゲナーゼ (COX) を阻害して、炎症にかかわるプロスタグランジンの産生を抑え、抗炎症・鎮痛作用をもたらします。またプロスタグランジンは体温を上昇させる作用もあるため、プロスタグランジンの産生を抑えることで解熱作用があります。 COX-2 非選択性の NSAIDs は腎血流を低下させたり、胃の粘膜液を減少させるため、腎障害や消化管障害の副作用に注意が必要です。 非ステロイド抗炎症薬 (COX-2 選択的阻害薬 )   COX-2 非選択性の NSAIDs と異なり、炎症や鎮痛にかかわるプロスタグランジンのみを阻害するため、生理的機能への副作用は少ないとされています。 非ピリン系解熱鎮痛薬   脳の視床下部にある体温調節機構にはたらき、熱を下げます。視床と大脳皮質で痛みを感じる部位で痛みを感じにくくします。 神経障害性疼痛治療薬  痛みを脳に伝える神経の興奮を抑え、痛みを感じにくくします。 痛み止めの種類 非ステロイド抗炎症薬 薬剤名 一般名 特徴 ロキソニン ® 錠 (NSAIDs) ロキソプロフェンナトリウム水和物 体の中で代謝されてから効果を発揮するため、消化管への負担が少ない。空腹時の服用は避ける。残存腎機能がある人は、腎臓への血流低下で腎機能低下、尿量低下を招くことがある。 ボルタレン ® 錠 (NSAIDs) ジクロフェナクナトリウム 多くの剤形がある。残存腎機能がある人は、腎臓への血流低下で腎機能低下、尿量低下を招くことがある。インフルエンザではライ症候群を起こす可能性がある。 セレコックス ® 錠 (COX-2 選択的阻害薬 ) セレコキシブ 長期使用により、心筋梗塞、脳卒中などの心血管系血栓塞栓事象の発現を増加させる可能性がある。 非ピリン系解熱鎮痛剤 薬剤名 一般名 特徴 ...

しょうじゅの里三保で、透析シャントの勉強会を行いました!

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下剤について

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  今回のテーマは下剤について   透析患者さんと便秘 透析患者さんは高齢化や食物繊維・水分の不足、 透析による除水、便秘になりやすい薬剤などが原因で便秘が起こりやすいです。   下剤の作用 現在様々な作用の下剤があり、患者さんの個々の病態に応じたものを選択することが大事です。 〇浸透圧下剤 腸管内の浸透圧を上げ、水分を増加させます。 塩類下剤  腸管内で難吸収性の重炭酸または炭酸塩になります。これらにより腸管内の浸透圧が上がり、腸管内に水分が取り込まれ、便が軟らかくなって容積が増して排便が誘発されます。 糖類下剤  体内に吸収されずに大腸に達し、浸透圧作用により腸管内への水分移動を促進し、便を軟らかくします。また浸透圧を高めるとともに腸管の蠕動運動を促進します。 ポリエチレングリコール製剤  高い浸透圧効果によって保持した水を大腸に届け、排便を誘発します。 〇大腸刺激性下剤 大腸腸管内で粘膜を刺激して腸管の蠕動運動を促進して、排便を促します。 〇上皮機能変容薬 腸管内への水分分泌を促進して便を軟らかくして、腸管内容物の移動が促進されることで、排便を促進します。 〇胆汁酸トランスポーター阻害薬 胆汁酸の再吸収を阻害して、胆汁酸が大腸へ移行します。移行した胆汁酸により、大腸内の水分分泌と大腸の運動が促進され、排便を促します。 〇末梢性μオピオイド受容体拮抗薬 オピオイド鎮痛薬を使用すると、消化管では腸蠕動を抑制します。この薬剤はμオピオイド受容体に作用し、オピオイドの便秘誘発作用をブロックします。 〇直接刺激性下剤 直腸を刺激し、排便反射を促します。 〇経口腸管洗浄薬 水様便を排泄することで、腸管の内容物の排除・洗浄効果があります。   下剤の種類 塩類下剤 薬剤名 一般名 特徴 酸化マグネシウム錠 酸化マグネシウム 水とともに服用すると効果がより出やすくなる。マグネシウムの排泄が低下し高マグネシウム血症を引き起こす可能性があります。 糖類下剤 薬剤名 ...