静脈高血圧

 

今回のテーマは静脈高血圧について


静脈高血圧とは

 シャント血管の狭窄や閉塞が原因でうっ血や血液の逆流が起こると、末梢循環障害によってシャント肢に浮腫・疼痛などの症状が出現します。これを静脈高血圧といい、狭窄(閉塞)部位より末梢側の手が腫れます。

 

静脈高血圧になると

 狭窄の場所によって、シャント肢全体や手指の浮腫、指先の疼痛、シャント血管の怒張などがみられます。重症になると末梢の血行障害による潰瘍や壊死を来すこともあります。また再循環により透析効率が低下し、採血データが悪くなる場合もあります。

 

静脈高血圧の治療

 静脈高血圧の原因は狭窄・閉塞のため、治療は狭窄部位に対する経皮的血管形成術(PTA)をはじめとした血管内治療が第一選択になります。コントロール困難な場合は、シャント閉鎖術を施行しなければならないこともあります。

 

 

~ソアサム症候群~

 ソアサム症候群はシャントの逆流によって手指が腫れるものです。シャントの吻合部からすぐ中枢の血管に高度の狭窄があると、シャント血が逆流して手首から末梢に腫脹を生じます。ソアサム症候群は側々吻合で発生しやすいです。


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