シャント(穿刺)

血液透析を行うためにはシャントに針を刺す“穿刺”を毎回しなければなりません。

穿刺を行う針には翼状の羽が付いており皮膚との固定が容易な翼状針や、

セーフティー機能付きで針刺し事故を防止できるものなどがあります。

翼状針以外は金属の内筒針とプラスチックの外筒針の二重腔針になっており、

穿刺した後内筒針は抜いてしまい、プラスチックの外筒だけをシャントに固定します。

血液透析は1分間におよそ200~300ml程度の血液量で体外循環を行うため、

16~17ゲージ(直径1.4~1.6㎜)の内径が大きい穿刺針を使用します。

シャントへの穿刺は単に針を刺すだけでなく、穿刺針や穿刺部位の選択から始まり、

皮膚の消毒や各穿刺針の位置関係、疼痛、止血など患者さんの様々な状況を想定して行います。

シャントを長持ちさせる鍵となるのがシャント肢の観察です。

視診、触診、聴診を組み合わせることでシャントトラブルの早期発見につなげます。

〇視診(皮膚の観察)

皮膚のかぶれ、湿疹、内出血の有無を確認します。発赤や腫脹を認め、

疼痛を伴う場合は感染が疑われるため注意が必要です。

〇触診

血管の走行や性状、狭窄部位などを触って確認します。

〇聴診

吻合部から体に向かってシャント全体の音を確認します。

シャント音が急に弱まる、または消失する場合狭窄が考えられます。

狭窄が起こると「ヒューンヒューン」という風の吹くような高い音がして、

シャント音が聞こえない場合は閉塞の可能性が高いです。

シャント音は毎日確認し異常がある場合はすぐに病院に連絡しましょう。

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