下肢つれとカルニチン

 下肢つれとカルニチンについて

透析患者さんはとくに、透析中に下肢痙攣(足のつり)が出現することが多くみられます。透析中に筋痙攣が起こることがありますが、多くの場合透析により除水が進んだ状態や血圧低下時に起こることが多いため、筋肉に栄養を取り込む血流の関与が考えられています。

透析により急速に除水を行い、それに見合った血管外から血管内への体液の移行がない場合や、ドライウエイトが低すぎる場合には、透析が進むと血管内の血流量が過度に減少します。すると、筋肉に十分な血液が行き届かなくなり、筋肉の血流障害が生じて筋痙攣が誘発されると考えられています。

また、血液中の電解質(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)エネルギー代謝に必要なL-カルニチンの濃度が低くなった場合も、筋痙攣が起こりやすくなることが一般的に知られています。


血圧低下

 透析後半は血管内が脱水傾向となり血圧が低下します。その結果筋肉への血流が低下し、筋痙攣を生じます。筋痙攣は非透析日にも起こり、ドライウエイトの設定が厳しいことなども原因として考えられます。

 

電解質異常

低カルシウム血症

 活性型ビタミンDの不足やカルシウム受容体作動薬の使用中に低カルシウム血症になりやすく、これらは下肢つりの原因になります。

低カリウム血症

 筋痙攣は血清カリウム濃度が2.5mEq/L以下で出現しやすいとされています。

低マグネシウム血症

 慢性下痢や低栄養の患者さんは低マグネシウム血症によって筋痙攣を生じることがあります。また低マグネシウム血症と低カリウム血症は関連しており、どちらかが生じている場合は、他方も生じていないか確認が必要です。

 カルニチン欠乏

透析患者さんはカルニチンが欠乏している状態です。カルニチンは、45時間の血液透析によって透析膜を介して容易に除去されます。また透析患者さんは食事制限によってL-カルニチンの摂取自体も少なくなっています。カルニチンは脂肪をエネルギーとして使うのに重要なはたらきをします。欠乏すると筋細胞で十分なエネルギー産生ができず、筋痙攣や低血圧を生じます。


透析中に筋痙攣が出現した場合は除水を停止し、血圧低下を伴うことも多いため血圧を測定します。下肢を挙上していれば戻します。治療としては10%塩化ナトリウム静注、生理食塩液静注、芍薬甘草湯服用、L-カルニチン製剤静注などがあります。さらにマッサージや患部の温めを行います。


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