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腎性骨症

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 透析患者さんの骨折の頻度は、 同年代の健康な人と比べて数倍以上になることが分かっています。 高齢の透析患者さんは骨粗鬆症を合併していることが多く、 それに加えて透析患者さんは様々な理由で血液中のカルシウムの濃度が低下し、 カルシウム濃度を保つために骨からカルシウムが放出され、骨が脆くなります。    腎臓が悪くなると血液中のカルシウムやリンなどの ミネラルのバランスが崩れてしまいます。 慢性腎臓病では一般的に血液中のカルシウムが 不足となり、リンは過剰になります。 このとき、不足している血液中のカルシウムを骨から補うため、 骨からカルシウムの放出を促す副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌が増加します。 これを二次性副甲状腺機能亢進症といい、 PTHの分泌が増加した患者さんは、PTHが骨からカルシウムやリンを 溶かし出す結果、ミネラルが不足して骨がスカスカになってしまいます。 これにより骨の強度を決める骨量が低下します。 また、尿毒素物質の増加が骨の強度を決めるもう一つの骨質を低下させます。 このような、慢性腎臓病に伴うカルシウム、リン、PTHの 異常によって引き起こされる病態を 『慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)』といいます。 インタクトPTHの管理目標は60~240pg/mLとなっています。

6月第1週の献立表(5月31日~6月5日)

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        三保の森クリニックで、患者様にご提供しているお食事をご紹介します。 いわゆる『透析食』は、水分・塩分・リン・カリウム等の制限が多い食事となります。 『我慢』が必要な食事は、やっぱりどこか寂しいもの。 当クリニックでは、患者様にとってお食事が楽しみであり続けられるよう、 母体病院である赤枝病院の栄養士が知恵を絞り、更に栄養課にて心を込めて作っています。

5月第4週の献立表(5月24日~5月29日)

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        三保の森クリニックで、患者様にご提供しているお食事をご紹介します。 いわゆる『透析食』は、水分・塩分・リン・カリウム等の制限が多い食事となります。 『我慢』が必要な食事は、やっぱりどこか寂しいもの。 当クリニックでは、患者様にとってお食事が楽しみであり続けられるよう、 母体病院である赤枝病院の栄養士が知恵を絞り、更に栄養課にて心を込めて作っています。

5月第3週の献立表(5月10日~5月22日)

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        三保の森クリニックで、患者様にご提供しているお食事をご紹介します。 いわゆる『透析食』は、水分・塩分・リン・カリウム等の制限が多い食事となります。 『我慢』が必要な食事は、やっぱりどこか寂しいもの。 当クリニックでは、患者様にとってお食事が楽しみであり続けられるよう、 母体病院である赤枝病院の栄養士が知恵を絞り、更に栄養課にて心を込めて作っています。

医科外来等感染症対策実施加算について

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不均衡症候群

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 今回は不均衡症候群についてお話します。 不均衡症候群とは透析導入間もない時期に、 透析中や透析後に出現する頭痛や嘔吐などの症状のことを言います。   腎不全の患者さんは、体に余分な水分や毒素、 余分な電解質がたまっている状態です。 健康な人は毎日24時間常に腎臓が機能して余分なものがたまりにくくなっています。 しかし、腎不全の患者さんは、余分なものを排出する機会は 血液透析を行う週3回4時間程しかありません。 週3回4時間の血液透析で余分なものを浄化しようとするので、 短時間で大掃除を行う必要があるのです。   血液浄化は血液と透析液が半透膜を介して接する ダイアライザー(人口腎臓)で余分なものを浄化しますが、 きれいにしているのは血液だけではありません。 血液がきれいになると、細胞間からも余分なものが 血管内に移動し、それをきれいにしています。 これを繰り返して体の余分なものを除去しています。 しかし余分なものが移動しやすい場所と、 奥深く移動に時間がかかる場所があります。 脳は移動に時間がかかるため、 水分の移動による差で脳浮腫が発生して、 脳圧が亢進し、頭痛や嘔吐といった症状が現れます。   不均衡症候群は通常一過性で数時間以内に自然に改善します。 透析に慣れていない透析導入初期の患者さんは 症状が出現しやすいため、ダイアライザーの膜面積を小さくしたり、 血流量を少なくしたり、短時間・頻回の透析を行うなどして 透析効率を抑えて不均衡症候群を予防します。

5月第1週の献立表(4月26日~5月8日)

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      三保の森クリニックで、患者様にご提供しているお食事をご紹介します。 いわゆる『透析食』は、水分・塩分・リン・カリウム等の制限が多い食事となります。 『我慢』が必要な食事は、やっぱりどこか寂しいもの。 当クリニックでは、患者様にとってお食事が楽しみであり続けられるよう、 母体病院である赤枝病院の栄養士が知恵を絞り、更に栄養課にて心を込めて作っています。

4月第3週の献立表(4月12日~4月24日)

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           三保の森クリニックで、患者様にご提供しているお食事をご紹介します。 いわゆる『透析食』は、水分・塩分・リン・カリウム等の制限が多い食事となります。 『我慢』が必要な食事は、やっぱりどこか寂しいもの。 当クリニックでは、患者様にとってお食事が楽しみであり続けられるよう、 母体病院である赤枝病院の栄養士が知恵を絞り、更に栄養課にて心を込めて作っています。

クリニック春の訪れ

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 3月も終わり、4月と新年度の始まりですね。 クリニック内では現在春の様子を楽しむことができます。 ご来院の際は是非ご覧になってください。

動脈硬化

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 今回は透析患者さんと動脈硬化についてのお話です。 動脈は外膜、中膜、内膜の3つの層の構造になっています。   アテローム性動脈硬化は、血管内皮細胞が損傷されて修復する過程で、 コレステロールや脂肪の塊(プラーク)が内膜に蓄積し、 内膜が厚くなり動脈内腔が狭くなる病気です。 糖尿病や高血圧、脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い)の人、 タバコを吸う人はアテローム性動脈硬化になりやすいです。     一方、中膜において石灰化が起こることをメンケベルグ型動脈硬化と呼びます。 透析患者さんは特にこの動脈硬化が進行しやすいです。 カルシウムとリンの蓄積、低栄養、貧血、全身の慢性炎症、 インスリン抵抗性、酸化ストレスなどが関係しています。  ・カルシウム・リン代謝異常   血中のカルシウム(Ca)やリン(P)濃度が上昇すると、 それらが骨以外の組織(血管、筋肉、関節など)に沈着する異所性石灰化が起きます。 Ca値とP値の積が55以上になると異所性石灰化が起きやすくなり、 予防にはPの制限、P吸着薬が重要になります。    このように、透析患者さんは動脈硬化の危険因子が多数あり、 虚血性心疾患や脳血管障害、下肢の末梢動脈疾患や心臓弁膜症が発生しやすいです。 そのため食事のリン摂取量や脂質の取りすぎ、 高血圧や喫煙といった生活習慣に注意しましょう。