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カルシウム

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 今回はカルシウム(Ca)についてのお話です。 Caというと思い浮かぶのは骨ですね。 Caは骨の形成に利用されますが、破骨細胞の働きで骨から血液中に 絶え間なく流出したり、血液中から骨形成に利用されたりしている流動的な存在です。    食事からのCaの吸収は活性型ビタミンDにより促進されます。 しかし腎機能低下に伴い、リンを排泄させるために 線維芽細胞増殖因子23(FGF23)が上昇し、 そのFGF23が腎臓でのビタミンD活性化を阻害するので、 腎不全の患者さんは腸管からのCa吸収量が低下します。   『慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン』 では血清補正Ca値の管理目標は 8.4~10.0mg/dl とされています。    Caは乳製品や小魚などに多く含まれていますが、 通常の食事でCaの過剰摂取になることは一般にはありません。 透析患者さんの多くはCa含有リン吸着薬や活性型ビタミンD製剤の使用が 高Ca血症の原因となります。高Ca血症は血管石灰化を介して心血管疾患や 死亡リスクの増大につながります。    また低Ca血症の原因として、 二次性副甲状腺機能亢進症に対して投与されるCa作動薬があり、 PTHの低下から高度の血清Ca値の低下を認めることもあります。 しかし軽度で無症候性の低Ca血症は、経過観察してもよいと 考えられるようになってきています。    血清Ca値を評価する際は血清アルブミン(alb)値の影響を考慮することが重要です。 細胞外液中のCaの約50%はalbなどの蛋白質と結合しているため、 低alb血症の場合はイオン化Caが正常範囲でも血清Ca値は低い値になります。 このため次の補正式を用いることが必要になります。    血清補正Ca値(mg/dL)=血清Ca値(mg/dL)+{4-血清alb値(g/dL)}

10月第1週の献立表(9月27日~10月2日)

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    三保の森クリニックで、患者様にご提供しているお食事をご紹介します。 いわゆる『透析食』は、水分・塩分・リン・カリウム等の制限が多い食事となります。 『我慢』が必要な食事は、やっぱりどこか寂しいもの。 当クリニックでは、患者様にとってお食事が楽しみであり続けられるよう、 母体病院である赤枝病院の栄養士が知恵を絞り、更に栄養課にて心を込めて作っています。

金木犀の香り

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 暑さも大分落ち着き、だんだん秋らしくなってきましたね。 クリニックの庭木には金木犀が9月中旬頃から咲き始めました。 香りからも秋の訪れを感じられます。

9月第3週の献立表(9月13日~9月25日)

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          三保の森クリニックで、患者様にご提供しているお食事をご紹介します。 いわゆる『透析食』は、水分・塩分・リン・カリウム等の制限が多い食事となります。 『我慢』が必要な食事は、やっぱりどこか寂しいもの。 当クリニックでは、患者様にとってお食事が楽しみであり続けられるよう、 母体病院である赤枝病院の栄養士が知恵を絞り、更に栄養課にて心を込めて作っています。

感染症法

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 みなさんは新型コロナウイルスのニュースで 5類感染症という言葉を聞いたことはありませんか? 感染症は感染症法に基づいた分類によって分かれていて、 平成11年4月から『 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 』が 施行され、感染症対策が行われています。     感染症対策の基本は、病気の原因となる細菌、 ウイルス、原虫などの病原菌を含めた 感染源対策 、 病原体がその生息現場から人間体内に侵入してくる 感染経路対策 、 人間の免疫力を高めるなどの 感受性対策 の3対策があります。  〇 感染源対策   消毒の徹底などの生活環境の改善、 感染症患者診断時の届け出の徹底、 早期治療等感染症患者さんの医療の充実などが必要。  〇 感染経路対策   感染症に関する知識の普及を図る健康教育、 環境整備としての消毒、 手洗いなど基本的な生活習慣の確立、 空調の見直し、清掃の徹底など。  〇 感受性対策   予防接種を行う、基礎的な健康水準の向上、 健康的な生活習慣の確立が重要。   新型コロナウイルス関連肺炎でもこの3対策を基本に、 新型インフルエンザ等感染症に該当する処置を行います。

9月第1週の献立表(8月30日~9月11日)

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        三保の森クリニックで、患者様にご提供しているお食事をご紹介します。 いわゆる『透析食』は、水分・塩分・リン・カリウム等の制限が多い食事となります。 『我慢』が必要な食事は、やっぱりどこか寂しいもの。 当クリニックでは、患者様にとってお食事が楽しみであり続けられるよう、 母体病院である赤枝病院の栄養士が知恵を絞り、更に栄養課にて心を込めて作っています。

8月第3週の献立表(8月16日~8月28日)

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        三保の森クリニックで、患者様にご提供しているお食事をご紹介します。 いわゆる『透析食』は、水分・塩分・リン・カリウム等の制限が多い食事となります。 『我慢』が必要な食事は、やっぱりどこか寂しいもの。 当クリニックでは、患者様にとってお食事が楽しみであり続けられるよう、 母体病院である赤枝病院の栄養士が知恵を絞り、更に栄養課にて心を込めて作っています。

保険証更新時期のお知らせ

8月より保険証更新時期となります。 ・国民健康保険被保険者証 ・横浜市重度障害者医療証 ・限度額認定証 等 新しい保険証がご自宅等に届きましたら受付に提出をお願いいたします。

8月第1週の献立表(8月2日~8月14日)

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      三保の森クリニックで、患者様にご提供しているお食事をご紹介します。 いわゆる『透析食』は、水分・塩分・リン・カリウム等の制限が多い食事となります。 『我慢』が必要な食事は、やっぱりどこか寂しいもの。 当クリニックでは、患者様にとってお食事が楽しみであり続けられるよう、 母体病院である赤枝病院の栄養士が知恵を絞り、更に栄養課にて心を込めて作っています。

カリウム

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 今回はカリウムについてのお話です。 カリウム(K)は細胞内の主要な陽イオンで、 約98%が筋肉を中心とした細胞内に存在し、 神経の興奮や筋肉・心筋の収縮にかかわります。 1日の経口摂取の約90~95%が尿中に排泄され、 残りの約5~10%が便中に排泄されます。 腎不全の患者さんにおいては、 腎臓から尿へのK排泄が減少しているためKが蓄積します。   透析液のK濃度は通常2.0mEq/Lで、濃度の差(拡散)により 1回4時間の透析で約50~100mEqのKが除去されます。 透析不足やK過剰摂取があると高K血症となるため十分な透析とKの摂取制限が必要です。   〇高K血症   Kは細胞内外のKイオン濃度比により、神経細胞や心筋細胞、 骨格筋などの細胞の内外の電位差が決まっていて、 細胞外のK濃度が上昇すると致死性不整脈や心停止などをひき起こします。 また、高K血症になるとしびれや筋力低下、脱力、麻痺などの症状が現れます。   〇低K血症   低K血症は食事摂取量の減少や極度の下痢、 嘔吐によるK低下が原因になります。低K血症は脱力や麻痺、 致死性不整脈などをひき起こしやすくなります。    Kは野菜や果物類だけでなく全ての食品に含まれていて、 いかに摂取量を減らすかが重要です。  水分摂取の際はコーヒーや緑茶(玉露)、 ではなく、ほうじ茶や麦茶、水で摂取することが望ましいです。 果物はKが多く含まれていますが、生食と比べて缶詰はK含有量が 1/3~1/2程度になります。Kは水に溶ける性質があるため、 野菜は水さらしや茹でこぼしでKを減らすことができます。