今回のテーマは ダイアライザの機能的分類について ダイアライザは色々 ダイアライザは中空糸型と積層型では形が違い、 見た目は似ていてもサイズや膜の素材にも様々なものがあります。 そして、難しい話になりますが機能によって分類されており、 今回はそんな分類のお話です。 血液透析は拡散と濾過の原理により尿毒素と過剰な水分を除去するため、 透析膜には高い溶質透過性 ( 尿毒素の通りやすさ ) と透水性 ( 水を通す性質 ) が 求められるとともに、十分な機械的強度と生体に悪い影響や刺激を与えないこと ( 生体適合性 ) も必要とされます。 ダイアライザの材質 ダイアライザの材質は、 石油由来の合成高分子系膜 と 天然素材のセルロース系膜 とに大別されます。 〇合成高分子膜 低分子蛋白の除去に優れ、生体適合性が良いとされています。 最も使用されているものはポリスルフォン (PS) 膜で、 PS 膜は疎水性のため水になじみやすくする ( 親水化剤 ) ポリビニルピロリドン (PVP) が 添加されています。また多くの高分子系膜は 合成材料のビスフェノール A(BPA) を含んでいます。 ポリスルフォン (PS) 膜 ポリエーテルスルフォン (PES) 膜 ポリエステル系ポリーマーアロイ (PEPA) 膜 ポリアクリロニトリル (PAN) 膜 ポリメチルメタクリレート (PMMA) 膜 など 〇セルロース系膜 小分子物質の除去に優れるが、 PS 系膜に比べて低分子蛋白の除去に劣るとされています。 セルロース系膜には PVP や BPA は含まれていません。 現在市販されているのはセルローストリアセテート (CTA) 膜のみで、 親水性で抗血栓性に優れます。近年では CTA 膜を改良し高い蛋白分画特性と 濾過性能を持つ ATA 膜というものもできています。 続きはダイアライザの機能的分類について②へ