透析液

透析では非常に沢山の透析液を使用しますが、 透析室に沢山の透析液を置く場所は有りません。 実際は透析液を沢山用いるのではなくて、 透析液原液という濃縮水、又は粉末型透析用剤を水で希釈して使用しています。 透析用剤は A液(電解質(NA、K、Ca、Mgなど))と B液(重炭酸(HCO₃⁻))に分けられ、 A液:B液:水=1:1.26:32.74に希釈して使用します。 ここで透析用剤に注目してみましょう。 透析用剤はNA、K、Ca、Mgなどの電解質が含まれるA液と、 重炭酸(バイカーボ)が含まれるB液に分けられており、 B液の重炭酸はアルカリ化剤と呼ばれます。 炭酸水素ナトリウム=重炭酸ナトリウム (NaHCO ₃ ) 健常な人は代謝によって体内で発生した酸(H⁺)は 腎で産生される重炭酸によって中性化されます。 腎機能が低下すると重炭酸の産生も低下し、 酸が体内に蓄積され体に悪影響を与えます(代謝性アシドーシス)。 そのためアルカリ化剤が必要になります。 重炭酸は代謝されることなく体内に取り入れられるので 血圧低下の発生もなく、心臓、肝臓に障害をもつ症例でも使用できます。 しかしCaやMgと反応し炭酸塩を形って沈殿してしまうという欠点があります。 そこで重炭酸以外をA液とし、 これを希釈してから重炭酸のB液を使用直前に混ぜて透析液を作っています。 【リキッドタイプ】 水に溶く必要はないですが運搬が大変です。