血液量の指標

 ドライウェイトは体液量が適正で透析中に過度の血圧低下を生じることなく、
長期的にも心血管系への負担が少ない体重と定義されています。
別の言い方をすると血液量が適正と考えられる時の透析後体重です。
また、血圧を適正な値にコントロールするにも血液量(≒体液量)を
適正に保つことが重要です。  
 血液量の指標は胸部X線検査による心胸郭比(CTR)が最も一般的です。
 しかし、CTRだけでなく様々な所見を考慮するため、
心臓超音波検査による下大静脈径(画像検査)
hANP(ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド)、
BNP(B型(脳性)ナトリウム利尿ペプチド)
といった血液検査などの指標も定期的に検査しています。 

 下大静脈径(IVC) 
下大静脈は超音波でみると肝臓の後ろにあり、呼吸性に変動します。
(呼気時に大きく、吸気時に小さくなります) 







 







hANP、BNP  
hANPは体液量過剰、心房圧上昇、心房伸展により
心臓(おもに心房という部分)で合成、分泌されるホルモンです。
適正なドライウエイト(血液量)の指標として
透析後の値が50~100pg/mL以下が推奨されています。
また、BNPも体液過剰の刺激に反応して分泌されるホルモンで、
血液量のみならず心機能とも関連します。

















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