血糖値
今回のテーマは血糖値について
血糖コントロールの意義
近年糖尿病性腎症は日本において透析導入の原疾患で最も多く、
透析導入患者さんの約4割が糖尿病を有しています。
糖尿病は血管を傷つけ、網膜症や神経障害、大血管症(脳梗塞、心筋梗塞)などの
様々な合併症リスクを高めるため、血糖の管理はとても重要です。
透析患者さんに適した糖尿病の指標
透析患者さんの糖尿病の管理として透析前の
随時血糖値およびGA(グリコアルブミン)を指標とすることが推奨されています。
〇HbA1c HbA1cはブドウ糖のくっついたヘモグロビンが
どのくらいの割合で存在しているかを%で表したものです。
糖尿病診療で一般的に用いられているHbA1cは赤血球寿命の短縮や
透析による失血、腎性貧血の治療に使用される赤血球造血刺激因子製剤(ESA)の
影響で低値を示すため参考値程度に用います。
〇GA(グリコアルブミン) GAはブドウ糖のくっついたアルブミンです。
GAは赤血球寿命の短縮に影響されず、過去2~4週間の血糖値を反映します。
安定した血糖コントロール下では2週間で大きく変動しないため、1か月に1回の測定が推奨されます。
透析患者さんにおける目標値
血糖値 透析前の随時血糖値180~200mg/dL未満
・高い時→透析開始時500mg/dL以上の著名な高血糖の場合2~4単位の
超速攻型インスリン製剤の皮下注射を検討します。
しかし、多くの施設で透析液のブドウ糖濃度が100~150mg/dLのものを
使用しているため、透析を開始すると自然に低下し、3~4時間の透析終了後には300mg/dL未満に低下します。
・低い時→60mg/dL未満、明らかな低血糖症状がある場合、
経口の5~10gブドウ糖を摂取するか50%グルコース注射液20mlを注入します。
GA 20.0%未満(心血管イベントの既住歴があり、低血糖傾向のある場合には24.0%未満)
ネフローゼ症候群や甲状腺機能亢進症、腹膜透析患者さんは、GAが低めの値になることが知られています。
HbA1c 参考値程度に用いる
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