レニンについて
今回のテーマはレニンについて
◎腎臓の血圧維持の働き -レニン産生-
腎臓はレニンというホルモンを産生します。レニンは腎臓の糸球体という部分の付近で産生されます。レニンはアンジオテンシンを産生し、アンジオテンシンはアルドステロンの分泌を促します。この一連の経路をレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(renin-angiotensin-aldosterone system:RAAS)といいます。
◎血圧を上昇させる
アンジオテンシンやアルドステロンは水とNa∔の再吸収を促進し、アンジオテンシンは血管を収縮させることにより、体液量を増加させて血圧を上昇させる機能をもちます。
レニンは腎臓の血流低下、交感神経刺激、原尿中のNa∔やCl-低下などの刺激によって分泌が促進されます。通常であれば血圧上昇後はレニン分泌が抑制され血圧上昇が続くことはありません。しかし、腎機能が低下していると調節機構がうまく働かず、高血圧になってしまいます。またアルドステロンが過剰に分泌されると体液量が増え、心臓に負荷がかかるため心不全がひき起こされます。
◎薬による治療
透析患者さんの亢進されたRAASを阻害することは、高血圧を治療するとともに心不全を防ぐことにもなります。この機構に作用する薬がRAAS阻害薬で、ACE阻害薬とARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)とレニン阻害薬があります。
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