透析液の作成

今回のテーマは透析液の作成です

~透析液の作り方~

透析液は濃縮された透析液原液と透析用水をA液、B液、RO水=1:1.26:32.74の希釈倍率で混合し、希釈して作成します。

A液には電解質とブドウ糖、B液には炭酸水素ナトリウムが含まれています。A液とB液を直接混合すると、炭酸カルシウムの沈殿が生成されるため、希釈してから混合します。

 



~透析液の内容~

透析治療では透析膜(半透膜)を介して、透析液と血液の間で拡散によって老廃物の除去や電解質のバランスを調節します。

カリウムやマグネシウムなどの電解質は拡散で除去できるように、透析液濃度は血中濃度より低く設定されています。ブドウ糖は適度な濃度勾配を維持して、過剰に除去されないように添加されています。ナトリウムやクロールは血液と透析液でほぼ同じ濃度に設定されています。逆にカルシウムや重炭酸は透析液中の濃度は血液中より高めに設定されています。

電解質

血清値(mEq/L)

透析液濃度(mEq/L)

濃度差

物質の移動

ナトリウム

135145

138140

ほぼ同じ濃度

ナトリウムは除水と共に除去される

クロール

98108

110114.5

カリウム

3.55.0

2.02.3

血液より濃度が低い

血液→透析液

マグネシウム

1.82.6

1.01.2

カルシウム

2.22.6

2.53.0

血液より濃度が高い

透析液→血液

重炭酸

2226

2530

ブドウ糖

70109(mg/dL)

100150(mg/dL)

 

 

酢酸

 

8.010.0

アルカリ化剤

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