今回のテーマは慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常 (CKD-MBD) 治療薬②について 二次性副甲状腺機能亢進症について 低カルシウム血症や高リン血症になると、副甲状腺ホルモン (PTH) が分泌されて、カルシウムやリンを正常な値にしようとします。カルシウムやリンが適正でない状態が続くと PTH が過剰分泌となり、二次性副甲状腺機能亢進症になります。この状態になると骨からカルシウムとリンが溶け出し、血中のカルシウムやリンが上昇します。これらが上昇すると血管の石灰化が起こり、様々な臓器に障害を起こします。また、骨が溶け出すことで骨が脆くなり、骨折しやすくなります。 カルシウム受容体作動薬と活性型ビタミン D 3 製剤 CKD-MBD 治療薬の種類 カルシウム受容体作動薬 薬剤名 一般名 特徴や注意点 レグパラ ® シナカルセト塩酸塩 錠剤。副作用 : 低カルシウム血症、悪心・嘔吐など。投与開始前に血清カルシウム濃度が 9.0mg/dL 以上であることを確認する。 パーサビブ ® エテルカルセチド塩酸塩 注射薬。副作用 : 低カルシウム血症、悪心・嘔吐など。投与開始前に血清カルシウム濃度が 8.4mg/dL 以上であることを確認する。 オルケディア ® エボカルセト 錠剤。副作用 : 低カルシウム血症、悪心・嘔吐など。投与開始前に血清カルシウム濃度が 8.4mg/dL 以上であることを確認する。 活性型ビタミン D 3 製剤 薬剤名 一般名 特徴や注意点 アルファロール ® ワンアルファ ® アルファカルシドール 錠剤、散剤、カプセル、内用液。肝臓で代謝されてカルシトリオールになる。脂溶性ビタミンのため、食後に投与することで吸収率がよくなります。 ロカルトロール ® カルシトリオール カプセル、注...