MIA症候群
今回のテーマはMIA症候群について
MIA症候群って何?
栄養障害(malnutrition)と慢性炎症(inflammation)が
互いに影響しあってアテローム性動脈硬化(atherosclerosis)を促進させ、
虚血性心疾患や脳血管障害などの心血管病を引き起こします。
このような病態をMIA症候群といい、合併症による透析患者さんの
死亡率上昇に関与する重要な合併症です。
MIA症候群の要因
透析患者さんは様々な原因で、栄養障害と慢性炎症を来します。
腎不全や尿毒症、透析膜の生体適合性不良などによる慢性炎症は、
蛋白質の異化亢進を促すことで栄養障害の進行を増強させ、
栄養障害は免疫力を低下させて透析液の微量な
エンドトキシンなどによる炎症を増強させます。
このように、栄養障害と慢性炎症が互いに影響しあって
動脈硬化を促進させ、虚血性心疾患や脳血管障害などの
心血管疾患を引き起こし、生命予後を悪化させるとされています。
慢性炎症については透析条件の見直しや透析医材の検討、
フットケアや掻痒症のケア、禁煙指導、内服薬の評価などを行います。
栄養障害については極端な蛋白制限を避け、
蛋白質量に対するリン含有量が少なくアミノ酸が摂取できる食品を多く摂り、
高リン血症による血管石灰化を予防しながら筋肉合成に必要なものを
摂取できるように、栄養士さんと相談することが大事です。
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