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透析療法の現況について
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今回のテーマは透析療法の現況について 透析患者さんはどのくらいいて、どのような患者さんが多いのでしょうか。 日本の慢性透析療法を受けている患者さんの総数は 349700 人 です (2021 年末 ) 。 透析患者さんの数は年々増加傾向でしたが近年患者数の伸びは鈍化しています。 日本では、もともと慢性糸球体腎炎が腎臓の悪くなる原因として一番多かったのですが、食生活や栄養状態の変化とともに糖尿病患者が増加し、その合併症である 糖尿病性腎症 が 2011 年に原疾患の第 1 位になりました。第 2 位は 慢性糸球体腎炎 で、第 3 位は高齢化や高血圧などにより腎臓の血管が動脈硬化を起こして生じる 腎硬化症 となっています。糖尿病性腎症は1位になってからも上昇していますが、食事管理や治療薬の進歩などを背景に、近年は微増から横ばいを推移しています。腎硬化症は高齢化の影響で増加が続いています。 これに加えて問題なのは、透析患者さんの高齢化です。 2021 年末の透析患者さんの平均年齢は 69.67 歳で、最も割合が高い年齢層は 70 ~ 74 歳でした。透析導入患者の平均年齢も 71.09 歳と透析を始める時点で高齢となっています。 引用・参考文献 日本透析医学会統計調査委員会 わが国の慢性透析療法の現況 ( 2021 年 12 月 31 日現在)日本透析医学会 ,2021,12
レニンについて
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今回のテーマはレニンについて ◎腎臓の血圧維持の働き -レニン産生- 腎臓は レニン というホルモンを産生します。 レニン は腎臓の糸球体という部分の付近で産生されます。 レニン はアンジオテンシンを産生し、アンジオテンシンはアルドステロンの分泌を促します。この一連の経路を レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系 (renin-angiotensin-aldosterone system: RAAS ) といいます。 ◎血圧を上昇させる アンジオテンシンやアルドステロンは水とNa∔の再吸収を促進し、アンジオテンシンは血管を収縮させることにより、体液量を増加させて血圧を上昇させる機能をもちます。 ◎透析患者さんの高血圧 レニン は腎臓の血流低下、交感神経刺激、原尿中の Na ∔ や Cl - 低下などの刺激によって分泌が促進されます。 通常であれば血圧上昇後は レニン 分泌が抑制され血圧上昇が続くことはありません。しかし、腎機能が低下していると調節機構がうまく働かず、高血圧になってしまいます。またアルドステロンが過剰に分泌されると体液量が増え、心臓に負荷がかかるため心不全がひき起こされます。 ◎薬による治療 透析患者さんの亢進された RAAS を阻害することは、高血圧を治療するとともに心不全を防ぐことにもなります。この機構に作用する薬が RAAS 阻害薬 で、 ACE 阻害薬と ARB( アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬 ) とレニン阻害薬があります。