透析機器の消毒・洗浄
今回は透析機器の消毒・洗浄について
透析機器、特に透析液配管内は、細菌やエンドトキシン(菌の細胞壁成分の発熱物質)が繁殖しやすい環境のため、しっかりと除去することが求められます。患者さんの血液が流れる血液回路やダイアライザーはディスポーザブル(使い捨て)ですが、透析液を作成・供給する透析液供給装置と配管は、定期的な洗浄・消毒が必須です。
洗浄・消毒の目的は主に三つあります。
一つ目は、消毒によって細菌や真菌などの微生物を除去・不活化することです。二つ目は洗浄によって透析液に含まれる有機物やバイオフィルムを除去することです。三つめは炭酸カルシウム(透析液の成分から発生する結晶)を除去することです。
日常的な洗浄・消毒
日常的な洗浄・消毒は塩素系の薬剤を用いて、回路の内の細菌やエンドトキシン、および有機物の除去を行います。薬剤は主に次亜塩素酸ナトリウム溶液(濃度0.03~0.06%程度)が用いられます。
定期的な洗浄・消毒
定期的に酸性の薬剤を用いて、透析液に含まれる重炭酸イオンとカルシウムイオンが結合して析出する炭酸カルシウムを溶解・除去し、細菌の温床になることを防ぎます。薬剤は酢酸(濃度0.1~0.3%程度)や過酢酸が使用されます。
熱水消毒
高温(80~90℃以上)のRO水(純粋)を循環させることで、薬剤が残留するリスクなく、効果的に微生物を殺菌します。
洗浄・消毒の注意点
洗浄・消毒で注意することは薬液の残留を防ぐことと有害ガスの発生を防ぐことです。
〇薬液残留の防止
透析配管内に消毒液がわずかでも残っていると、透析開始時に血液に触れ、溶血やアレルギー反応を引き起こす危険があります。そのため、消毒薬での洗浄後は十分にリンス(洗い流し)を行い、透析開始前に残留塩素濃度を測定して安全を確認します。
〇有毒ガス発生の防止
洗浄に使われる次亜塩素酸ナトリウム(塩素系)と酢酸・過酢酸(酸性系)が混ざると、有毒な塩素ガスが発生し、人体に被害を及ぼします。薬液の保管、補充作業は安全管理が必須です。

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