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検査のお話し シャントの日常管理④

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検査のお話し 『透析シャントの日常管理』    当クリニックでの透析アクセス ◎内シャント   AVF (自己血管内シャント) AVG (人工血管内シャント) ◎動脈表在化 ◎血管内留置カテーテル   上記のうち、約9割の患者様は AVF (自己血管内シャント)   AVF (自己血管内シャント)が有効な理由 ◎透析シャントの中でも開存率が高い。 ◎合併症が少ない。 ◎管理が比較的容易。   AVF (自己血管内シャント)定期管理のポイント ◎必要な血液量は確保できるか。 ◎脱血は良好に行えているか。 ◎返血路は確保できるか。 ◎長期的に安定して使用できるか。 超音波機器を使って定期的な血管の管理を行います。

検査のお話し シャントの日常管理③

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検査のお話し 『シャントの日常管理』  ひとり、ひとりの患者様が自分のシャントを観る訓練は、とても大切です。 最初は、難しいですが、触っていると、狭窄に気づく事があります。  間違えてもいいので、触ってみて、あっと思ったら、検査技師に声をかけてください。 透析の時に、超音波で一緒に見てみましょう。

検査のお話し シャントの日常管理②

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検査のお話し 『シャントの日常管理』 透析患者さんは、治療を行う為に、  最初にバスキュラーアクセスを作ります。  ほとんどが自己血管による「内シャント」の作成です。  これは、腕の動脈と静脈を皮下で直接つなげる事によって、  静脈に多くの血液を流し、 透析に必要な脱血量約200ml/minを随時取り出せるように  する為の物です。  透析の際は、このシャント血管に2か所針を刺し、  脱血、浄化、返血を行います。  通常、週3回この作業を繰り返します。  つまり、1週間で最低6回、年間で290回  針を刺すという事になります。  したがって、シャント血管には、高い動脈圧と、  穿刺によるダメージと、今までなかった  沢山の負荷がかかってきます。

検査のお話し シャントの日常管理①

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検査のお話し  こんにちは、三保の森クリニックの臨床検査技師です。  私は、患者様のシャント管理(超音波検査)を行っています。  シャントは体調と同じで、日々変化します。  そのシャントと格闘する検査技師の日常をご紹介していきます。  患者様のご意見や  同業の検査技師さんや、透析士さんのご意見等、 成長の糧させて頂きながら、のんびり書き進めていきたいと思います。 それでは…      井上様、お加減いかがですか? シャントの音を聞かせてください。  ザーザーザーゴーゴーゴー  低い いい音。沢山の血液がシャント血管に流れている音。  上腕動脈血流量良好。  血管抵抗高くない。 狭窄もなし。よかった。      山田様、お加減いかがですか?  シャント音を聞かせてください。  ピューピューピュー、シャーシャーシャー  甲高い音。狭窄音だ。どれくらい細くなっているかな。  脱血不良あり  静脈圧良好  上腕動脈血流量低下  血管抵抗上昇  吻合部付近に高度狭窄!先生報告!      透析室から電話だ!  シャント音が聞こえないんですね。  すぐ行きます。  ドクンドクン、拍動音だけ…閉塞かな~  上腕動脈血流量76ml/min  血管抵抗0.99  あっ、閉塞してる。先生報告!      あれっ手が浮腫んでいる。どこから浮腫んでいるのかな…  狭窄部位を探そう。狭窄ない…そんなはずはない 汗💦…どうしてだ? 汗💦    あった~狭窄。先生報告!  当クリニックは、高齢者施設の入居者様が多く、 血管の走行も複雑ですが、どうにか、 頑張っています。💦💦

夏はシャント感染に気をつけて!!

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  夏はシャント感染やシャント閉塞など 意外とトラブルが発生しやすい季節です。 日常の中で、以下の事に気をつけてみて下さい。 ①汗をかくため他の季節よりやや不衛生になりがちです   毎日のシャワーでシャントをいつも清潔に保ちましょう ②止血テープをつけたまま汗をかくと不潔になりがちです   止血状況に応じて取り外すようにしましょう ③脱水になるとシャントが閉塞してしまう危険性があります   夏は発汗量も多くなるので、 過剰な飲水制限には気をつけましょう !

検査だより

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                      心電図検査 三保の森クリニックでは、年に2回心電図検査を行っています。 心臓は、生体から発するわずかな電気の流れをチェックするものです。 一番脳に近い位置、洞結節という所から心臓を斜めに横断するように電気刺激が伝わり その刺激に合わせて、心臓の筋肉が収縮します。 リズミカルに、筋肉が収縮して血液が押し出されていると、トックントックンと 同じリズムで動いています。 心臓の収縮は1分間に 60 ~ 90 回程度拍動します。 心電図の検査では、まずこの拍動の回数とリズムを診ます。 徐脈(心拍数 60 以下)には正常なものと異常なものに分けられます。 まず正常例として 一般的には激しいスポーツを長期間継続した場合に見られる スポーツ心・・・ 通常、運動する時は筋肉に多くの酸素が必要になります。 心臓の筋肉を厚くし内腔を大きくして一気にたくさんの血液を押し出すことで 激しい運動時の酸素不足を補っています。 したがって、非運動時は、通常の人より少ない心拍数でも十分全身に 酸素や栄養を全身に供給できます。 これは、リズムや理学的所見に異常がなければ心配しなくても良いと思われます。 一方、徐脈になることで 日常生活や運動に必要な酸素を体中に行き渡らせることができず、 めまい、失神、過度の疲労感、息切れなどが起きている場合 何らかの病気が隠れている可能性があり , 気を付けなければいけません。 年2回の心電図検査で、透析負荷、薬物、洞不全、心筋梗塞などによる 徐脈性変化がないか、定期検査でチェックさせて頂いています。  

検査室だより

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先日、消化管エコーセミナーに参加してきました。 腸管所見は、以前は超音波では見えにくいと言われ スクリーニングはCT、MRCP、内視鏡最近ではMRECなど 他の検査で確認する事が常とされていました。   しかし現在では、超音波機器の性能も良くなり、急性炎症での 腸管浮腫、腸管拡張、炎症複合体の存在を 超音波で比較的しっかり見る事が出来るようになりました。 内容は以下の通り   腸管に炎症が起きると・・・ ①    血管拡張 ②    血漿タンパク質の血管外露出 ③    損傷部位への白血球遊出 ④    組織障害   以上の過程を経ていきます。   これを超音波機器で観ていくと ①    はカラードプラーで血流上昇像 ②    は腸管浮腫像 ③    ④は低輝度領域 のように観察されます。   今回のセミナーでは、病理染色されたスライドの 各炎症段階と超音波画像を照らし合わせながら 病態を把握できたのでとても分かりやすかったです。   今回の勉強内容を明日からの 検査にプラスにしていきたいと思います。  

検査室だより

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先日、シャントの勉強会に参加してきました。 内容はこんな感じでした。 ①上腕動静脈の解剖学 ②理学所見の見極め方 ③わかりやすいエコーでの機能評価、形態評価 勉強会で言われていた事は、 シャントは解剖の知識と理学所見を駆使して診察すれば 病態の約 80 %を知る事が出来ると言う事でした。 私はこれまで、日常業務として検査の前日に透析室に行き、 透析士さんにシャントの状態、透析状況を確認しておき 検査当日は・・・ 軽くシャント肢を挙上、狭窄を予測しエコー検査に 入っていました。 それで上手くいく事もありましたが、 最近は、透析年数の長い患者様も多く 複雑なシャント走行の患者様が増えていました。 限られた時間の中で、検査をしなくてはいけないので、 頭を抱える事も多かったのですが、   改めて、しっかり基本を省みると解決する事がありそうです。   今後も、出来るだけ多くの勉強会には積極的に参加し、 成長の機会を得ていきたいと思います。